【リタイアメントブルース】

心育て塾の心理カウンセラー、山下力人です。

今日は、多くの方が直面する「リタイアメントブルース」について、お話します。

　

「リタイアメントブルース」という言葉は、定年退職や仕事からの引退後に経験される一連の感情や心理的な状態を指します。

　

この現象は、長く愛着を持って観てきたドラマの最終回を見た後のような感覚に例えることができます。ドラマが終わると、親しみや安定感を与えてくれた登場人物たちとの「別れ」を感じ、何とも言えない喪失感や空虚感に襲われることがあります。

　

「リタイアメント」は退職や引退を意味し、「ブルース」は悲しみやメランコリーを表す言葉です。リタイアメントブルースは、仕事という日々のドラマから離れることで生じる憂鬱や不安、喪失感、方向性の喪失、生活の変化に伴うストレスを総称します。

　

長年続けてきた仕事からの離脱は、お気に入りのドラマが終わり、その登場人物たちとの日常的な交流が終わることに似ています。仕事は多くの人にとって自己アイデンティティの一部であり、その変化は大きな生活の転換点となり得ます。

　

リタイアメントブルースは一時的なものであり、新しい生活リズムや活動への適応を経て、多くの人が新たな生活の充実感を見出します。

　

まるでドラマの終わりが新しいシリーズの始まりであるかのように、退職後の人生も新たな物語の始まりと捉えることができるのです。

　

しかし、この適応が難しく感じる場合は、支援や理解を求めることが重要です。引退は、生活の新しい章の始まりであり、新しい役割や活動を探求する機会となり得ます。